集中力アップ
身体のケアだけではなく、脳にも効くのが酸素です。脳の重量は全体中の2%といわれていますが、酸素の消費量は全身の酸素消費量の20〜25% 。それだけ、脳は酸素をたくさん消費しているのです。脳への酸素供給は、人間の生命維持にも不可欠です。しかし、その酸素は、脳に貯めておくことはできません。常に新鮮な酸素を供給している必要があります。
それでは、脳に酸素が不足するとどういうことが起きるのでしょうか?
全身の酸素消費量の20~25%は脳で消費
脳が懸命に働こうとする時、たとえばハードに頭脳労働をしたり、勉強をしたりする時などには、よりたくさんの酸素が必要です。十分な量の酸素が供給されないと、脳は酸素不足になってしまいます。それがひどくなると、頭痛が起きたり、脳貧血になったりします。そういう自覚がない場合も、集中力や思考力が低下していることが多いのです。
逆に脳に酸素が行きわたった状態の時には、脳は活発に働くことができます。ある調査では、高濃度の酸素を吸いながら英単語を覚えたグループと、普通の状態で英単語を覚えたグループでは、翌日のテストで酸素を吸ったグループの方が多くの単語を覚えていたといいます。
酸素カプセルに入ることで、脳への酸素供給も大量に行われることになります。酸素が十分に供給されると、脳は活発に働いているα波を出している状態になるといわれています。この状態は、集中力や、記憶力が高まっていることを示しているもの。その効果を求め、リフレッシュを兼ねて酸素カプセルに行くことが受験生の間でも話題になっているのだそうです。
疲労回復
私たち人間が酸素を必要としているのは常識ですよね。ですが、なぜ酸素が必要かというと、お分かりの方は少ないかもしれません。
人間の身体は約60兆個もの細胞からできているといわれていますが、その細胞が活動するバアイに必要になるのが酸素なのです。血液の流れが止まれば動物は死んでしまいますが、それは血液が止まることで細胞に酸素が行かなくなり、そのために細胞が活動を停止し、動物そのものが死んでしまうのです。
それでは、私たちが感じる疲れにも、酸素は関係あるのでしょうか?
スポーツ選手が酸素カプセルを愛用する理由
もちろんです。疲労というのは、筋肉に乳酸が溜まっていくと感じるようになってしまうものです。肩のコリや身体のだるさも乳酸の仕業。筋肉が活動するためのにはブドウ糖が分解されてエネルギーとして利用され、ピルビン酸という物質になるのですが、そのピルビン酸が酸素を十分に利用できないと、乳酸が発生します。以前は疲労物質といわれていた乳酸ですが、最近では、発生した乳酸は酸素を取り入れることでピルビン酸になり、エネルギー源になると考えられています。疲労と乳酸、酸素は密接に関連しているのです。
酸素カプセルに入ることで、最も顕著に感じられる効果のひとつが、疲労回復です。かなり疲れている人なら、1度の利用でもその効果を実感することができます。その後、継続的に酸素カプセルを利用することで、疲れにくい身体を作る効果もあるといわれています。プロ野球チームが酸素カプセルをチーム内に設置していたり、サッカー選手やプロのアスリートが酸素カプセルを個人で購入して家に設置していたりするのは、この疲労回復の効果を狙ってのことが多いのです。
アンチエイジング
加齢による肌の衰えは、年齢を重ねた女性なら誰しもがもつ悩みのひとつです。こういった加齢による衰えはどうして起こるのでしょうか?
「血液の循環が悪くなり、細胞に酸素が行き渡らなくなると、細胞の活動が少なくなって老化が起こる」という考え方があります。細胞に酸素というエネルギー活動のための原料が供給されなくなるため、細胞という工場が操業を縮小するということですね。それを解決するためには、酸素を細胞のすみずみにまで行き渡らせればいいということになります。
酸素カプセルは新陳代謝も活発にします
酸素カプセルで細胞に届けられる溶解型酸素は毛細血管も通りやすいため、皮膚細胞の活性化も期待でき、新陳代謝も活発になるため、皮膚の再生サイクルが正しく整えられ、美肌効果が期待できます。
実は、古代の地球は今よりも酸素濃度が高かったという説があります。3億年前の石炭紀は酸素濃度が35%もあり、いろいろな昆虫も巨大化していました。それよりもずっと後、わずか100年前でさえ、空気中の酸素濃度は24%あったといわれています。しかし、その後、工業化が進み、環境破壊が起こってしまい、現在の地球の酸素濃度は20.9%。酸素が減少したことにより、現代に活きる人類は絶えず軽い酸欠状態であるという研究者もいます。
それなのに、人間は老化によって、呼吸する能力も衰えてくるため、肺活量も年齢とともに低下していきます。環境が老化を加速させているともいえるのです。それに対抗して身体のすみずみにラクに酸素を届けられる酸素カプセルは、アンチエイジングの最終兵器ともいえるマシンなのです。
生活習慣病予防
医学的にも広まりを見せる酸素カプセルですが、生活習慣病ともいわれる糖尿病、高血圧症への酸素カプセルでの治療に対する研究が進められています。
糖尿病の運動療法は、有酸素運動で血液の中のブドウ糖をエネルギーとして使って血糖値を下げようとするものなのですが、有酸素運動でもたらされる効果は、酸素カプセルに入ることでも得ることができます。膝が痛かったりして、長時間の歩行が困難な方でも有酸素運動の効果を得られる酸素カプセルの利用は理にかなっているのです。
生活習慣病の予防にも、酸素カプセルは効果的
また、高血圧症でも同じく、酸素カプセルは有用だと考えられています。研究の結果、酸素を吸うことによって、血圧が安定してくるのが分かっています。まだ研究段階のため、メカニズムは解明されていませんが、「血圧を調整する中枢神経に好影響を与える」「自律神経に働きかける」「ヘモグロビンの働きを高める」ということなどが原因ではないかと考えられています。ただし、糖尿病、高血圧症の人は、必ず医師に相談をしてから、酸素カプセルを利用するようにしてください。
現代社会には、人間の身体に有害な一酸化炭素が多く存在しています。私たちは、この空気中に漂っている一酸化炭素を呼吸することで否応なく体内に取り込んでしまいます。体内のヘモグロビンは、酸素を運ぶだけではなく、一酸化炭素等の有害な物質も結合してしまい、これらの物質を排出するまでに時間がかかるのです。生活習慣病のためにと、多くの人が実践しているウォーキングも、排気ガスがあるところを歩いていると、逆に身体に有害な物質を取り入れてしまうということにもなりかねません。その点、酸素カプセルは有酸素運動と同じような効果を手軽に期待できるため、生活習慣病の予防にも効果を発揮できるという訳です。